ベトナムは数十万年前の地層から人類の歯が発見されるなど、人類が活動をした時期がかなり早い地域ですが、
紀元前100年前後から10世紀頃まで中国王朝の支配を受けたため、歴史的には漢字を起源とする言語属でした。
しかし1800年代後半、清朝から実質的な支配権を奪ったフランスの植民地となって以降、
ラテン文字を使用してベトナム語を表記する方法"クオック・グー"の推進により現在のベトナム語の様式を確立していきました。
1945年のベトナム民主共和国の成立以降は、それまで使われていた漢字やチュノム(※1)は使用されなくなり、現在のベトナム語が国語として確立しました。
※1…チュノムとはベトナム語を漢字表記するために創作されたベトナム独特の漢字の事。
東南アジアの多くの国々の言語がインドからの影響を受けている事を考えると、ベトナム語は独特であり、漢字を由来とする日本語や朝鮮語と同様のルーツを持っている言語と言えます。
そのため、中国語や日本語と発音が似ている単語がたくさんあります。
[日本語に似ている]
注意… ジュゥイー。
日本… ニェッバン。
楽観… ラッグアン。
国旗… クッキィー。
改革… ガイガック。
天然… トゥニィェン。
[中国語に似ている]
中国… ジョングォ。
韓国… ハングォ。
安全… アントゥアン。
中国語には声調と呼ばれる音の上がり下がりの種類が4声調(実際は軽声を含め5声調)があり
それ故に中国語は難しいと言われるのですが、
ベトナム語には声調が中国語を上回る6声調もあり、
同じ綴りのアルファベットでも声調変化で全く意味が違ってくるので
あくまで単語で聞いた時の発音が似ているとしか言えず、
会話で成立するかと言えば、実際はなかなか難しいのですけどね。
ちなみにみなさん気付きましたか?
文頭で出てきた"クオック・グー"。…これって"国語"って意味なんです。
"コックゴー"…。似てますよね。